10/29 お昼の再放送。
満足度☆5。(☆5が最大)
枠全部を使ってシマウマ独自の事情を解き明かしていったのがすばらしかった。
目次
内容まとめ シマウマの縞はなんのためにある?
その1:ライオン除け説
シマウマの縞は肉食動物に対するカモフラージュ(目くらまし)という説が有力だった。
シマウマが群れると、シマウマ同士の縞がつながって見えたりして、群れの数やシマウマの輪郭が判別しにくくなる。
だからライオンなどの肉食動物はシマウマを襲いにくくなる。
これはシマウマを観察すればわかる!
この説には説得力があり、長い間信じられてきた。
しかし…
肉食動物には効かない!
シマ模様は人間の目にはわかりにくいが、ライオンの目にはそうでもないということが研究でわかってきてしまった。
ライオンの目は人間に比べて視神経の細胞が少なく、常に視界がぼやけている感じのようだ。
シマがあろうとなかろうと変わらないらしい。
人間の感覚をあてはめて考えてしまったことが、この間違いの原因。
他にもこういうことはありそうですね。
肝心の肉食獣の目には迷彩効果がないということで、次に出てきた説は、シマで体が冷える、というもの。
その2:風で涼しい説
シマウマの縞によって風が起こり身体が冷える、という説。
そのロジックはこうだ。
白い部分と黒い部分に温度差が発生することで、黒部分から空気が立ち上り、白い部分からは空気が流れる。
つまり、シマウマの縞は全自動風起こし機だったんだよ!
この冷却説を確かめるために番組では2つの実験を行った。
本当に風が起きる?空気の流れが見える装置で調べる
空気の流れが見える装置+シマウマのぬいぐるみで調べたところちゃんと空気の流れが起きていた。
ちゃんと冷える?シマウマの模型で実験
屋外にシマウマの模型と白いウマの模型を置いて実験。
結果、黒い部分の温度は上がり続け、全然冷えない!
全身白いウマのほうが温度が低かった。
黒い部分が冷えたときもあったが、それは自然の風のおかげ…。
冷却説もだめ
まあこの説は無理があるよね…
結論が出る前から『陽射しが強いなら全身真っ白にしたほうが涼しいでしょ』と思いながら見てましたよ。
でももっともらしい仮説→わかりやすい実験→仮説却下という流れは健全で面白かった。
その3:虫よけ説
アフリカにはツェツェバエという吸血昆虫がいる。
ツェツェバエの恐怖
- 刺されると痛い
- 伝染病を媒介する
- 血を吸われすぎて死ぬ動物もいる
ツェツェバエはシマウマの血を吸わない?
恐るべきツェツェバエだが、ツェツェバエの吸った血液を調べたところシマウマの血が入っていなかったらしい。
そこで出てきた仮説が、
シマウマのシマはツェツェバエを避ける虫よけだ
というもの。
実験1:シマウマ模様のシマシマ服を着てみる
この説の提唱者の博士(だったかな?)がシマシマ服を着て体当たり実験していた。
確かにツェツェバエが止まりにくい。
実験2:シマウマパネル+蠅トラップ
- ツェツェバエは青い光に反応する
- ツェツェバエをおびきよせてとらえる青い網カゴのような罠を用意
- 罠の入り口にシマウマの写真パネルを置いて、捕まった蠅の数を調べる
結果
グレビーシマウマ:ハエ8匹
サバンナシマウマ:ハエ14匹
茶色馬:ハエ21匹
黒馬:ハエ31匹
つまり、シマウマのシマにはツェツェバエを避ける効果がありそうだ。
また、縞模様が細かいグレビーシマウマのほうがハエ除け効果が高かった。
↓グレビーシマウマ。縞模様が細かく、腹部にシマがない。
↓サバンナシマウマ。一般的なシマウマ。
仮説と、まだわからないこと
・グレビーシマウマは、特に暑くツェツェバエが多い地域に住んでいる。
→環境に適した、ハエ除け性能の高い縞模様の個体が進化したのでは?
・シマウマは暑さ対策で毛が短い
→だからツェツェバエに弱い→シマシマバリアが発達?
・ツェツェバエが縞模様を嫌うのはなぜか?
→まだわかっていない。